音波による炉内ガス温度のオンライン計測:SEI Europe TechnologieのATS
少数の温度測定点や出口平均値では炉内の高温・低温の偏りを見落とす場合があります。SEI Europe TechnologieのAcoustic Temperature System(ATS)は高温ガスを横切る音路で温度分布を監視します。[1][2]
SEI資料に基づくSuperMROの概念図。実設備の設置図ではありません。
音響測温の原理
炉壁外の送受信器が音をガス流中に送り、既知の経路長と到達時間から音速を求め、ガスモデルにより温度を推定します。組成が既知のほぼ理想気体では音速は絶対温度の平方根に比例します。一本の音路は経路に沿った統合値を示し、中央の一点温度ではありません。[1][4]
複数経路による二次元マップ
独立音路、平面を横切る多経路アレイ、両者の併用が可能です。CCUは最大8本の独立経路、または空間マップ用の最大24経路に対応するとSEIは説明します。ソフトウェアは各経路、等温線、指定領域平均、トレンドと履歴を表示します。二次元図は有限数の経路から再構成され、全点を直接撮影した画像ではありません。[2][3]
装置とDCS連携
空気圧駆動の音源・受信器を適切な炉の外壁に設置し、CCUと産業用端末から設定可能なOPC出力をDCSへ接続します。高温ガス内へ深くセンサーを差し込まない構成ですが、測定口、導波管、圧縮空気、配線、保守アクセスの設計確認が必要です。炉内騒音の監視機能は、あらゆる漏れの検出保証を意味しません。[1][2][3]
石炭火力での用途
選定した炉断面や出口ガス領域で温度の偏りを見て、負荷、炭質、配風、バーナー調整に伴う変化を追えます。付着物、熱応力、SNCR温度窓との照合に有用ですが、燃料節約やNOx削減の定量保証ではありません。O₂、CO、NOx、ミルおよび空気・燃料分配データと合わせて判断します。[1][3]
他産業への適用
SEIは発電所、廃棄物発電、バイオマス、製油・石化炉、ガラス工場、高炉を列挙しています。セメント炉などは形状・ガス条件ごとに実現性を確認し、標準実績として扱いません。[1][2]
調査と受入
測定面、炉寸法、開口部、各負荷での音路を定め、騒音、粉じん、ガス流・組成、圧縮空気、温度、振動、DCS接続を確認します。複数負荷・燃料で測定、経路喪失時の挙動、マップ品質を検証します。ATSは保護回路の火炎検出器を代替しません。[2][3][4]
SuperMROの視点
SuperMROは測定の不足を整理し、図面・データの収集、メーカー・専門家による評価、統合と受入基準の設定を支援できます。本稿はSEI公開資料に基づく紹介であり、導入実績や代理店契約を主張しません。効果は実設備で検証します。
